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  3. 岩田一成2020年10月16日付けコラム
コラム

キャンピングカーなし生活であらためて感じた、その魅力とありがたみ

雑誌の連載やSNSですでにご存じの方もいるかもしれませんが、現在キャンピングカーの乗り替え計画が進んでいます。約10年で14万5000kmを走破した相棒のキャブコンを手放して、新型ハイラックスのトラキャン(トラックキャンパー)への乗り替えを決意しました。

子供が幼い頃は機動性抜群のポップアップルーフバンコン、子供の成長過程では居住性に優れたキャブコン。そして、子供が大きくなって家族全員で出かける機会が少なくなった今、多少居住性がスポイルされても、よりクルマとしての利便性(シェルを降ろせば、ピックアップトラック単体で使用できる)と、走行性能・安全性に特化したキャンピングカーを選びました。

そんなわけで、キャンパーシェルの完成を待って、すでに半年以上もキャンピングカーなし生活が続いている状態。バンコンからスタートして13年、いつでもそばにあるのが当たり前だったキャンピングカーがなくなってみて、あらためてその魅力やありがたみを実感しています。

コロナ禍におけるキャンピングカーの有用性

4月の緊急事態宣言から半年が経過した現在でも、新型コロナウイルスの脅威が続いています。外出自粛期間中は、キャンピングカーを活用して自宅の敷地で家族と「庭キャンプ」やバーベキューを楽しんだり、キャンピングカーの車内で就寝して旅に出たような非日常感を味わったりするユーザーが多かったようです。

我が家にキャンピングカーがあれば、きっと同じような使い方をして外出できないストレスを解消したことでしょう。しかし、タイミングが悪く、外出自粛期間中はすでにキャブコンを手放した後……。自宅のリビングでゴロゴロとしながら、キャンピングカーユーザーが「庭キャンプ」を楽しむ様子をSNSで眺め、「キャンピングカーがあればなぁ……」とため息をつくしかありませんでした。

緊急事態宣言解除後は、3密(密集・密接・密閉)を避けて感染を予防しながら日常生活を送る「WITHコロナ」時代がやってきました。「動くプライベート空間」であるキャンピングカーがあれば、不特定多数との接触を避けながら安心して旅を楽しめますが、足グルマのコンパクトカーでは出かける気すら起こらず、天気のいい週末でも長男と近所をサイクリングするのが精いっぱい……。

万が一家族から感染者が出た場合、キャンピングカーを隔離施設として利用することで、家族内の感染拡大を防止できるなど、考えれば考えるほど、コロナ禍でキャンピングカーが役立つ機会は多くあります。皮肉なことに、キャンピングカーのない生活を通して、その有用性をあらためて実感することになりました。

災害時にシェルターがあるという安心感

車内で生活できるキャンピングカーは、災害時の防災シェルターとしても活用できます。

キャンピングカーが身近にあったこれまでの13年間は、常に「何かあったら、キャンピングカーで生活できる」という安心感がありました。そして、当たり前のようにあったキャンピングカーがいざなくなってみると、「今、災害に見舞われたらどうしよう……」という、これまで感じたことのない不安に襲われました。

自宅以外に「万が一の際に逃げ込める、もうひとつの生活空間」が確保されていることが、どれだけ重要だったか。13年ぶりに経験するキャンピングカーのない生活で、そのことに気づかされました。

「前泊」が当たり前にできることの素晴らしさ

「GO TOトラベルキャンペーン」のスタートと前後して、我が家にトラキャンのベースとなる新型ハイラックスが納車され、3密を避けながら家族でお出かけをする機会も増えました。

そんな中で、あらためて不便を感じたのが「前泊ができない」こと!

キャンピングカーではどこに行くときも前泊をするのが当たり前でした。前夜のうちに出発して目的地近くで仮眠をとれば、朝の行楽渋滞を避けられるし、観光や遊びの時間も目いっぱい確保できます。

そんな、今まで当たり前だった「前泊」ができないことで、お出かけの際は毎回すさまじい大渋滞にはまり、通常の倍以上の時間をかけて目的地に到着したときには、すでにヘトヘトの状態……。しかも、新しい相棒の新型ハイラックスは、1ナンバーの貨物車。高速道路のETC休日割引が適用外なので、高速料金を安くあげるにはETC深夜割引を利用するしかありませんが、キャンピングカーのように前泊ができないとそれも難しい……。

今まで当たり前だった「前泊できること」が、どれだけ素晴らしいことだったのか、キャンピングカーがない生活を通して肌で感じています。

お出かけのモチベーションが上がらない

キャンピングカーを手放して、トラキャンのベースになる新型ハイラックスが納車されるまでの半年間、つなぎとして走行17万kmオーバーのコンパクトカーに乗っていました。

しかし、困ったことに、愛着のない足グルマだとお出かけのモチベーションがまったく上がらない! ドライブ大好き、お出かけ大好きで、少しでも時間があればキャンピングカーで日本中を飛び回っていた自分にとって、これはある意味で驚きの事態でした。

利便性はもちろんですが、やはり「自分の好きなクルマ」じゃないとモチベーションも上がらないんだなぁと、旅の相棒としてのクルマの重要性にあらためて気づいた次第。待望の新型ハイラックスが納車された現在は、休日ごとに家族とドライブや観光を楽しんでいますが、当然のことながらキャンピングカーと比べると旅の自由度は劣ります。

 

この半年間、キャンピングカーのない生活を通して、あらためてその魅力やありがたみ、素晴らしさを実感しました。

トラキャンのキャンパーシェルが完成して、新たなキャンピングカーライフがスタートするまでにはもう少し時間がかかりますが、この貴重な経験を活かして、これからもキャンピングカーに関するリアルな情報をユーザー目線で発信していきたいと思います。

岩田一成

キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーライター。日本大学芸術学部卒業後、出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に様々なジャンルの雑誌・ムック制作に携わる。キャンピングカーで家族と約1000泊の旅をした経験を活かし、雑誌やWEBでキャンピングカーのコラムや記事を多数執筆。キャンピングカー専門誌やイベントのアドバイザー、講演会、テレビ・ラジオ番組の出演など、幅広い分野で活躍する。著書『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』(グラフィス)

http://www.iwata-kazunari.com/

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