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コラム

まずはレンタルでお試しするのもいい

キャンピングカー人気の高まりを受けて、ここ数年で急激に数を増やしているのが、レンタル業者である。かつてはキャンピングカーの製造者であるビルダーの一部が、ビジネスモデルの一つとして手がけている程度だったが、レンタル専業の会社が増えているのだ。

どう利用する?レンタルキャンピングカーのそれぞれ

キャンピングカーをレンタルする、というのはどういうシチュエーションだろう。いきなり購入してしまった私からすると、初めはイメージがわかなかった。しかし、レンタル業者の人、あるいは借りた経験のある人から話を聞くと、なるほど、と膝を打つことも多かった。実はレンタル、賢く使えばかなりいいようなのだ。

■まずはレンタルで“お試し”

確かに、安い買い物ではない。そこで購入前に『まずはレンタルでお試ししてみる』というのは賢い使い方だといえるだろう。
キャンピングカーは普通の車とは違う。ちょっとその辺を一周してみたところで、運転してみたときの感覚はつかめるかもしれないが、本当にその車が自分に合っているかどうかはわかるものではない。実際に滞在してみる・泊まってみるという体験をして初めて、「キャンピングカーのある生活」がリアルに見えてくるのだ。
常日頃「キャンピングカーはいいもんですよ」と触れ回っている私だが、正直を言えば、キャンピングカーと相性が悪い人もいるだろう。その反対に、食わず嫌いだったのにいやいや家族に付き合ってみたら、すっかりその魅力にはまった、という話も聞く。
百聞は一見に如かず、ということわざがあるが、キャンピングカーの場合はもう一歩、踏み込んでみたい。
「一泊は一見に如かず」なのである。
ちなみに、今やレンタルできるキャンピングカーは実に多彩だ。さすがにトレーラータイプのレンタルはないが、自走式であれば、軽キャンパーからアメリカン・クラスCまであらゆる車種がある。自分に必要な装備はどれか、どの程度の大きさが快適か、借り比べてみて考えるのも一興だろう。

■“遠隔地”だからレンタル

中には、既に自分が一台持っているのにレンタルを利用する人もいる。遠いところを旅したいケースがその一例だ。日本は狭い、とは言うものの、例えば関東や関西から北海道や九州へ行こうと思うと、それなりに距離はある。到着するまでに数日かかるような場合、のんびりとあちこち泊まり歩く人もいるが、日程が短いなら、いっそ現地周辺でキャンピングカーをレンタルして楽しむという考え方だ。自分は旅の荷物を携えて、飛行機や新幹線でひとっとび。キャンピングカー=「持ち歩ける我が家」という観点からすると、レンタルはあくまで『仮住まい』ではあるが、経験者であれば快適に旅ができるはず。
この考えをさらに拡大すれば「海外」でレンタルするという選択肢もある。ヨーロッパやアメリカのレンタル会社が日本法人を設立しているケースもあるし、海外キャンピングカー旅に特化した旅行代理店もある。思い切って利用してみるのも楽しかろうと思う。

■“旅のバリエーション”としてのレンタル

過去に私の話を聞いて、いきなり買う気にはなれないものの興味を持った、という人で、このタイプの人がいる。もともと旅好きであることはもちろんだが、同じところへ行くにも、車で行く、新幹線で行く、飛行機で行く、あるいはホテルに泊まる、日本旅館に泊まる…と組み合わせ次第で楽しみが違うのだという。そんな上級者だからこそ、ちょっと話を聞いただけで「そうか!キャンピングカーなら旅はさらに自由自在なのか!」とすぐに理解してくれた。もちろんマイカーではないから、前もってレンタカーを予約する手配は必要だが、借りる日と返す日だけ決めたら、あとはどこへ行こうが、どう走ろうが自分次第。朝何時に起きようが、食事をしようがしまいが、好きにできる。宿の朝食やチェックイン・チェックアウトに縛られてきた旅と違って、「お仕着せではない」旅を組み立てる楽しみがある、というわけだ。
もちろん、そこにはパックツアーの気軽さはない。どこに・何があるか。その夜どこに泊まるか。自分で調べ、考えて行動せねばならない。それすら面倒くさい、という人には向かないだろうが、逆にそれが楽しいと思える人なら、キャンピングカーは最高のツールだ。「自分で作り上げる旅は楽しいが、年に1回程度」という人なら、レンタルがぴったりだし、もっと頻繁に遊びまわりたい人なら、いずれ自分のキャンピングカーを手に入れるだろう。

昨今、ちょっと困ったことも起きている

レンタル会社が増えているのは、キャンピングカー人気が拡大を続けている証拠。喜ばしいことはであるのだが、その一方で、ちょっと困ったことも起きている。
これはレンタルに限った話ではないが、「今はこれが儲かるらしい」というビジネスの視点だけでキャンピングカーを扱う会社(レンタルにせよ、中古車販売にせよ)には、キャンピングカーへの「愛」がない。おかしな言い方だと思われるかもしれないが、ここでいう「愛」とは、キャンピングカーへの知識、理解。そして使い方への知識や理解だと思ってもらえばいい。
例えば、キャンピングカーの運動特性などをきちんと説明せずに貸し出した挙句、事故になった例もある。さらには「グレー(生活排水)はタンクが一杯になったら、適当にその辺に捨てればいい」などと、とんでもない説明をしている業者もいるという。いずれも、借りた人や、そういう利用者が訪れたというRVパークなどで聞いた話である。
利用者にしてみれば、一見しただけでは、業者のレベルなどわかりはしない。ビルダーが経営しているレンタル会社ならもちろん安心だが、レンタル専業でも、豊富な知識と情報を持っている会社だってちゃんとある。事前にどんな会社か知るためには、予約の段階で運転などについて質問してみて「普通車と変わりませんよ」などと言う業者だったら、そこはやめた方が賢明だろう。

いつかは“マイキャンピングカー”

キャンピングカーのメリットのひとつは「いつでも好きな時に旅に出られること」。残念ながらレンタルでは、その恩恵にはあずかれない。予約をしなければならないし、人気の時期は値段も高く競争率も激しい。借りる・返すそれぞれの時間も決まっているので、好きな時間に出発、とはいかない。
こう考えると、「買うか」「借りるか」と天秤にかけることになる。
駐車場所や維持費などを考えたら「買うまでもない、借りれば十分」という人もいるだろう。だが不思議なもので、持ってしまうと出かけるハードルはぐんと下がる。キャンピングカーオーナーになると、自然と、キャンピングカー友達が増える。するとますます、出かける頻度は高くなる。
普通の車以上に、「持つ」か「借りる」かのギャップが大きいのがキャンピングカー。もしレンタルして気に入ったなら、ぜひ自分だけの一台を見つけて、オーナーを目指してみていただきたいと思う。

わたなべたつお

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹とヨメさんひとり。 朝日新聞デジタルで週刊コラム「キャンピングカーで行こう!」連載中 Youtubeチャンネル「キャンピングカー坊主めくり」開設中 https://www.youtube.com/channel/UCZzeJtgZFLR0yJLkr052kug

https://www.asahi.com/and_M/seriese/campingcar/

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