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コラム

FICCオートキャンプ世界大会 89th

最近は、いろいろな分野で “国際化” が進んでいる。
大都市を歩いていても、観光地を見物していても、外国人の姿を見かけない日はない。
しかし、ビッグなキャンプイベントともなると、外国人キャンパーが一堂に会する国際大会の華やかさは格別だ。 
 
この秋は、たいへん大掛かりな国際キャンプ大会に参加することができた。
日本オートキャンプ協会の世界大会である。(第89回FICCオートキャンプ世界大会実行委員会主催 2019年9月28日~10月6日)
 
 
「世界大会」と銘打った行事だけに、参加国はイギリス、フランス、ドイツ、ポルトガルなどのヨーロッパ各国のほか、台湾、韓国などアジア諸国を含め、計14ヶ国。
参加人数は、日本人・外国人合わせて約800人。
そのうち、海外からの参加者は200人に及んだ。
 
この大会に、TAS(トレイル・アドベンチャー・スピリット = BCヴァーノンなどを中心としたモーターホームクラブ)の一員として参加させてもらった。
 
▼ TASのサイト
 
もちろん私の車両は国産キャブコン。
TASは、基本的には、北米系モーターホームのユーザーが多いグループではあるが、関係者のご厚意により、正式メンバーに混ぜてもらうことができた。
 
 
イベント会場は、福島県・ 天栄村「道の駅羽鳥湖高原」。
とにかく風光明媚。
湖が近いうえに、周辺にはキャンプ場やコテージなどが集中。さらに温泉も整備されているというまさにアウトドアイベントに最適というロケーションが確保され、諸外国のキャンパーも大喜び。
 
 
「世界大会」が日本で開かれるのは25年ぶりだという。
次の国際大会が日本で開かれるのも、25年後。
25年に一度というサイクルで開かれるものに参加できたということは、実に得難い体験といえるのではないか。
 
25年後の次の日本大会に参加するとなると、私の年齢は95歳になる。
そうなると、自分でキャンピングカーを運転して参加するというのは、ちょっと無理かもしれない。
もっとも、その年まで生きていればの話だが
 
TASの構成者でも、昔から参加していられる方には高齢者が増えた。
そういう事情を反映してか、TASメンバーの夜の宴会でも、持病の話、病院通いの話、健康維持の話、孫の話など、シニア特有の話題が増える傾向が出てきた。
そういう話題に参加するには、私たち夫婦も、具体例を挙げて自分たちの事情を説明しなければならない。
 
…… が、二人とも固有名詞が出てこない。
「ええと、あれあれあれ
「なんだっけ、あれあれあれ
 
夫婦二人だけの会話なら、
「あれあれ」
「これこれ」 
で、ほぼ了解し合えるものだが、他者に説明するときはそうはいかない。
 
そのいら立ちのせいで、私をカミさんを認知症呼ばわりするが、カミさんも負けてはいない。
「認知症はあなたでしょう」
と反論してくる。
 
「だって、お前はあれを忘れたろう」
「あなたこそ、あのことを思い出せないでしょう」
 
カミさんが「あのこと」というたびに、ドキッとする。

え !?
それって、もしかして
「俺が寝言で別の女の名を呼んだとか、そういうこと?」
…… そんなことはあるわけないのだが、そんなふうに疑心暗鬼になってしまう。
 
この日も、私たち夫婦は、“あれこれ合戦” を繰り返していたわけだが、TASのメンバーには、私たち夫婦が認知症の度合いを自慢したがっているように聞こえたという。
 
会長の川越了二氏が、私たちにつけたあだ名。

「認知症自慢夫婦」

川越氏のジョークに、その場は盛り上がったが、私自身は、自分のキャンピングカーに戻ったとき、バンクにのぼったカミさんが、
「この前寝言で呼んでいたヨシコ(そんな知り合いいないけど)とかいう女性は誰?」
とか言い出すのではないかとヒヤヒヤしてしまった。

 

FICCラリーの話に戻る。
初日のオープニングイベントとして、参加国のキャンパーが思い思いの衣装を身に付けたパレードが行われた。

 

▲ 民族衣装を身にまとった各国メンバーが会場を行進するパレード(写真上)。

そのいでたちが、奇想天外。
日本人キャンパーからは平安時代風の女房姿あり、江戸時代の駕籠かきの姿あり。
ちょっとしたハロウィーン行事のキャンプ版という盛り上がりを見せた。
 
 


なにしろ9日間にわたる長丁場のラリー。
普通のキャンプイベントなら時間を持て余してしまうところだが、さすが日本オートキャンプ協会(JAC)が時間をかけて練り上げたものだけあって、イベントのメニューは豊富。

日本酒品評会。
花火大会など、豊富なメニューが用意され、1日があっという間に過ぎていった。
  
▼ 国ごとの料理が振舞われるパーティー(写真下)。

 
 
TASのポットラックパーティ。
様々な食文化を持った人々が参加するため、料理メニューの表記には材料表示も行われた。
 
 
 
TASのパーティーに参加した日本オートキャンプ協会の方々
 
 
▼ コリア・ナイトでは、韓国音楽界でも活躍するテノール歌手パク・キョンフン(Park KyungHoon氏 世宗大教授)のミニコンサートも開かれた。
舞曲「カルメン」やイタリアのカンツォーネを採り上げた選曲も素晴らしく、たいへん楽しめた演奏会となった。
 

今回、片言の英語とボディランゲージを駆使して、短い会話ながら、各国の参加者とコミュニケーションを交わすことができた。
 
外国人との「会話」というのは、言語だけがすべてではない。
もちろん、言葉が通じ合うことはとても大事だけれど、より大切なことは、相手の国の「文化」にどれだけ興味をもっているかということなのだ。
国際交流の場では、それが問われると思っていい。
 
歴史、文学、音楽、食べ物、スポーツ ……
相手の国のそういう「文化」にどれだけ敬意を払い、関心を持っているかが、けっきょく一番雄弁なコミュニケーションとなる。
そういう気持ちさえあれば、言語の方はなんとかついて来るものだ。
 
実は、身振り・手振りだけで伝え合えることは、けっこうあるのだ。
たとえば、相手の国の伝統音楽に関心を持っていることを伝えたいときは、そのメロディーを口に出して歌えばいい。
 
歴史や文学の話をしたいときは、自分の知っている相手の国のヒーローや美女の名前を出せばいい。
それだけで、相手は、
「おうおう、ご存知ですかぁ!」
と相好崩して喜んでくれる。
 

 
そういうスタイルで、諸外国の人たちの片言交流を続けたが、ただ、韓国の人々との会話は、最初だけは緊張した。
なにしろ、日韓関係の悪化がマスコミから連日報道されている最中。
会話の内容が相手に失礼に当たらないかどうか、それだけはかなり気をつかった。
 
しかし、けっきょくは “笑顔” が最大の友好関係の表示となった。
前述したパク・キョンフン氏などとは、TASのポットラックパーティーで短い会話を交わし、温泉でも顔を合わせているうちに、彼の表情がとても人懐っこくなっていくのを感じた。
 
国同士の関係は、マスコミの伝えるニュースだけでは分からない。
ニュースの教える情報は、抽象的かつ観念的なものに限られ、そこには、その国を生きる人々の喜怒哀楽などは反映されない。
 
けっきょく、その国の実情を理解できるかどうかは、その国に生きる人々の具体的な顔を思い浮かべられるかどうかに尽きる。
 
そのときの相手の笑顔。
親しげなニュアンスを帯びた会話。
そういうものの “生きた手触り” を体感してこそ、他国のことを理解できるようになる。
 
そういうチャンスを得たキャンプイベントであった。
 
台湾から来たチャーミングな女性と乾杯 

町田厚成

キャンピングカーのガイドブック、キャンプ場ガイドブックなどの編集を通じて、キャンピングカーやキャンプ旅行に関する文章を20年くらい書き続けています。愛車は5mサイズのキャブコン。カミさんが機嫌が良いときは犬と一緒に旅行にお供してくれますが、仕事を兼ねた一人旅が多い昨今です。

https://campingcarboy.hatenablog.com/

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