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コラム

災害時に「あってよかった」と実感したキャンピングカーの装備

この度の台風19号により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

キャンピングカーで暮らしている筆者が昨年の北海道胆振(いぶり)地震での体験を踏まえて、キャンピングカーの装備で「あってよかった」と実感したものをお伝えします。
とは言え、たまたま筆者が待機していた道の駅【樹海ロード日高】の近くには水力発電所があり、「全道停電」という未曾有の事態に陥っていたさなか、周辺一帯は翌朝7時頃には電気が復旧しました。また隣接のコンビニやスーパーも開店したので買い出しすることができ(午後には売り切れ品が続出しましたが)、ガソリンスタンドも通常通り営業、給油制限もしていませんでした。
ケータイ(筆者はドコモ)も繋がるし、テレビなどニュースを見ていなかった筆者は「おおごとにならなくてよかった」と誤解していたほどで、ほかの観光客もあまり危機感をもっていなかったように見えました。

清水タンク - 水はいくらあっても過ぎるということはない

災害時に真っ先に店舗からなくなるものの一つに「水」が挙げられます。
キャンピングカーの清水タンク(130リットル)以外にもペットボトルやポリタンクを複数備蓄しており、なるべく切らさないように気をつけています。清水タンクの水は飲用せず、洗いものとトイレにのみ使用。お風呂(シャワー)は諦めたとしても顔や手足は洗いたいですし、もし復旧まで長期間かかれば洗濯も必要になります。もちろん日々の食事にも水は欠かせず、とにかくいくらあっても「過ぎる」ということはありません。

とある自動車修理工場で、入庫したキャンピングカー(キャブコン)が延々と排水をしていて、修理のために乗ってきただけなのに満タンにしていたのが不思議だったのですが、いつも満タンにする癖がついていると言ってました。それは災害を想定している訳ではないのかも知れませんが、備えあれば憂い無し、を実践されているのだなと感じました。

ソーラー - 家電を多用している現代生活に重要な発電システム

筆者はソーラーを4枚(合計約300w)、サブバッテリー(105A)を4個搭載しています。ふだんは余るほど発電しますが、台風のように曇天が続けば消費に供給が間に合わなくなる事態も起こり得ます。
騒音が気になって控えめに使用している発電機(ONAN 3600)も、この時ばかりは最終手段として心強い味方。ただしガソリンの残料が1/4以下になると作動しないようになっているので、じゅうぶんに給油しておくことが肝要です。

筆者のキャンピングカーは排気量6800ccで燃費が非常に悪く、リッター4〜5kmしか走りません。走行充電するにしても、エンジンをかけているだけでガソリンを消費します。ガソリンの供給がおぼつかなくなっている間は、大人しく待機しているのが最善策です。

災害時はテレビやラジオ、インターネットでの情報収集が重要ですが、これらも電気なくしては成り立ちません。北海道胆振地震の際はケータイ各社のアンテナ基地も停電したため、電話もネットも繋がらなくなりました。
停電でテレビも点かない状況のなか、ラジオの有り難みを痛感した方も多かったと思います。余震におびえながらの就寝中、無音の状態が続くことに耐えられずラジオを点けっぱなしにしていたという体験談も聞きました。
実は筆者はラジオを持っていません。電池式の携帯ラジオを買おうと思いながら、現在まですっかり忘れてしまっていたことを反省しています。

ラジオや懐中電灯などの乾電池をチェックしておくことも大事ですね。モバイルバッテリーも常に満充電にしておくことを忘れずに。
登山のためにと検討していたソーラー充電器は災害時にも活躍しそうですが、お天道様が出なければ発電しないので一長一短ありますね。

選択肢が多ければ応用が利くことも

筆者のキャンピングカーRocky21に搭載されている冷蔵庫は、AC/DC/LPガスの3ウェイです。一人暮らし用の冷蔵庫と同等の大きさで、アメリカ製なので電気をかなり消費します。ただでさえ貴重な電気を、冷蔵庫だけに費やしてしまう勢いです。なので、ふだんからガスで稼働させています。
近年はオール電化のキャンピングカーが主流で家庭用の冷蔵庫を設置しているユーザーさんも多いですが、選択肢は多い方がいい、というのが持論です。
カセットガス式ポータブル冷蔵庫も非常時には役立ちそうです。

夏ならクーラーや扇風機、冬なら暖房と、電気やガソリン(軽油や灯油)を少なからず消費してしまいます。残念ながら家庭用ガスエアコンは見たことがありませんが、ガスヒーターならあります。Rocky21もガスヒーターです。

非常時には冷蔵庫のためにガスを温存するべく、調理はカセットガスコンロを使用します。
余談ですが筆者は保温調理器「シャトルシェフ」を重用しているのですが、沸騰したら火を止めて保温機にセットすれば2〜3時間は熱々のままなので煮物に最適。夕食後そのままにしておいたら、朝になってもほんのり温かくて驚きました。ガスの節約にもなりますし、一石二鳥です。

ただ、現状としてキャンピングカーで使用するガスボンベへの充填を断られるケースも増えてきているので、それだけが悩ましいところです。

空腹は我慢できてもトイレは我慢できない

災害時、食糧が足りなくて粗食になったとしても出るものは出ます。生理現象であるトイレは我慢できるものではありません。
筆者はキャンピングカー生活を始めた当初、トイレはほとんど使用していませんでした。DUMP(排水)するのが大変だったからです。しかし、台風ならずとも大雨の日に外へトイレに出るのが苦痛で、そういう非常時だけは使用するようになりました。紙は流さずゴミ箱へ。

写真はシャワー&トイレルームですが、ご覧の通りクローゼットと化しています。(シャワーの水は途中で切ってあり使用不能になっています)
ここに服をかけていると、ニオイ移りが気になりますよね。タンクにはバクテリアを入れてあるので、それほど強いニオイはしない…と思います。無香消臭剤も置いてはいますが。

ちなみに生活廃水=グレータンクは120リットル、汚水=ブラックタンクは80リットルです。大雑把に見積もってトイレ1回=1リットルとして80回は使用できる計算になります。

これはキャンピングカーの装備とは関係ありませんが、ペットを飼っている方はペットシーツを備蓄しておくと様々なシーンに役立ちます。
もしもトイレタンクがいっぱいになってしまったら簡易トイレとして流用できますし、吸水性が高いので水漏れ対策にも重宝します。実際、筆者はルーフエアコンから雨漏りしたときペットシーツを貼って急場を凌ぎました。災害時でなくても、たまにカーペットに水などをこぼしたときにも活用しています。

北海道胆振地震のあとも通常営業していたキャンプ場に、バイカーなど旅行者が集まってテントを張っていました。避難生活というよりも、ふつうにキャンプをしているといった雰囲気で笑い声が聞こえ、そうした光景は「不謹慎」などではなく、オアシス的存在に見えたものです。

自粛することも大切でしょうが、被災した友人知人のSNSなどへの書き込みを見ていると、「冷蔵庫が使えないので急いでアイスを食べた」「お肉が悪くならないうちにBBQした」「子どもたちとキャンドルナイトを楽しんだ」「星がとっても綺麗で癒された」などなど前向きな投稿が多く、こちらが励まされました。

避難生活ではストレスが大敵です。車内で手足をゆったり延ばせる空間、待機できる(時間を費やせる)環境づくりをしておくと、気持ちにも余裕が生まれるのではないでしょうか。

 

松本 周己(しう@SOTO)

松本周己(しう@SOTO) 20年以上前から、主にレンタカー(軽自動車〜ハイエースロングなど)で車中泊旅を楽しんでいたが、ふと「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と思い立ち、独学でウェブデザイナーになり、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった生粋の自由人。夏は北海道、冬は九州で過ごしています。 一応、女性らしく(?)根は機械オンチなため、日進月歩の日々。 BLOG>http://soto.sblo.jp/

http://soto.sakura.ne.jp/

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