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  3. 岩田一成2017年10月06日付けコラム
コラム

子供はキャンピングカーの旅でたくましく成長する

「何のためにキャンピングカーを買うのか?」

定年後のセカンドライフを充実させるため、趣味のツールとして、移動事務所としてなど、その目的は人それぞれだと思います。

我が家がキャンピングカーを購入した理由は、ただ一つ。

「子供と一緒に過ごせる限られた時間を大切にしたい」

その思いだけでした。

 

  

キャンピングカーの購入を思いついたのは、2人目の子供が生まれた時。

当時乗っていたのは、400馬力の7.2リッターV8エンジンを搭載した過激なアメリカンマッスルカー、1970年型ダッジ・チャレンジャー440R/T。家族で楽しむキャンピングカーとは、明らかに対極にあるクルマです。ファーストカーとして12年間も乗り続けてきたこのクルマは、自分の"名刺代わり"であるどころか、もはや"生き様"そのものというべき存在でした。

そんな大切な相棒を手放してまでキャンピングカーの購入に踏み切ったのは、子供やキャンピングカーに対してそれ以上に強い思いがあったからこそ。稼ぎの大半をアメ車につぎ込んでいた当時の生活ぶりを思うと、我ながらよく決断したものだなぁと感心しますが、キャンピングカーに乗り換えて後悔をしたことは一度もありません。

むしろ「あのタイミングでキャンピングカーに乗り換えて本当によかった」「キャンピングカーに出会えてよかった」と、思うことばかりです。

 

キャンピングカーが納車された1週間後には、当時0歳の長男と4歳の長女を連れて18日間の北海道キャンプ旅に出発。テントキャンプ時代には考えられなかった乳幼児連れの長期旅ですが、キャンピングカーのおかげで一度も不安や不便を感じることはありませんでした。

キャンプ場を巡りながら、室蘭~札幌~富良野~留萌~宗谷岬~網走~知床~釧路~帯広~小樽と、北海道をほぼ1周。各地で同じ旅人のキャンピングカー乗りやライダー、チャリダー、地元の人々と交流を繰り返し、今まで味わったことがないほど充実した時間を過ごしました。

家族の笑顔に満ちたこの18日間の旅が、筆者のキャンピングカーライフの原点です。

 

 

それから、毎年夏の北海道長期旅をメインに、東北、関東、東海、北陸、近畿、四国と、1年を通してキャンピングカーでさまざまな場所に出かけました。子供たちにとって、車内で生活できるキャンピングカーは、まさに秘密基地。どこに行っても、笑顔が絶えることはありません。

何でもネットで検索できる便利な時代ですが、キャンピングカーの旅はバーチャルではない「リアルな世界」です。目の前に広がる絶景にため息をつき、大自然の中を駆け回り、その土地の美味しい料理に舌鼓を打ち、野生動物の姿を見て興奮し、狭い車内で家族と共に生活する。喜びや感動、驚き、そして時にはトラブルさえも家族全員で共有し、力を合わせて乗り越えます。

気づけば、家族と行ったキャンプ・車中泊の累積は700泊以上。

我が家の子供たちの成長は、常にキャンピングカーの旅と共にありました。

 

「キャンピングカーで全国各地を旅する」というかけがえのない経験を通して、子供たちは大きく成長しました。

我が家のキャンプやクルマ旅では、子供はゲストではなく"旅のメンバーの一員"。幼い頃から「家族全員で考え、家族全員で動く」というスタイルが身についているので、こちらが指示をしなくても常に「自分にできること」を探して、それを確実にこなします。

上の写真は、今年の北海道キャンプ旅の一コマ。

土砂降りの雨の中、自発的にポリタンクの水汲みをする子供たちの姿です。叩きつけるような雨が降り続く悪天候でしたが、旅慣れた子供たちにとっては何の問題もない状況。カッパと長靴を身に着け、キャンプ場内を散策したり、水たまりで遊んだり、自分たちで楽しみや役割を見つけて有意義に時間を過ごしていました。

こうした能力は言葉で教えられるものではなく、長年のキャンプやクルマ旅の経験によって自然に培われたもの。家族でキャンピングカーの旅を続けてきたことが、子供たちの成長に素晴らしい影響を与えていると実感する瞬間です。

 

今年の夏、毎年恒例の「北海道キャンプ旅」が12年目を迎えました。

受験生の長女が自発的に「時間を決めてキャンピングカーの車内で勉強をする」と言い出したので、過去最短にはなりますが8泊9日の日程を確保。できるだけゆとりを持ったスケジュールを組み、家族で長女をサポートしながら北海道の旅を満喫しました。ずっと一緒にキャンピングカーで旅をしてきただけあって、家族のチームワークは万全です。

常に子供たちの成長を間近で感じ、子供たちと一緒に過ごす時間を充実できたのは、あの時大切なアメ車を手放してキャンピングカーに乗り換える決断をしたからこそ。

キャンピングカーでのキャンプやクルマ旅を通して子供たちはたくましく成長しましたが、我が家のキャンピングカーの旅は、まだまだ終わりません。これからまたさまざまな旅を通じて、子供たちがどのような大人になっていくのか。それを見届けるのが今一番の楽しみなのです。

岩田一成

キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに700泊以上のキャンプ・車中泊を経験。キャンピングカー専門誌『キャンプカーマガジン』でスーパーバイザーを務めるほか、ムックやWEBでキャンピングカーに関する記事を多数執筆。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。

http://www.iwata-kazunari.com/

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