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  3. 岩田一成2016年10月21日付けコラム
コラム

機動性のバンコンか!? 居住性のキャブコンか!?

キャンピングカーの購入を検討する場合、まず候補となるモデルを何台かセレクトすることになりますが、その際に軽キャンパーと輸入モーターホームのどちらを選ぶかで悩む人はほとんどいないはず。

どちらを選ぶか悩みがちなのが、サイズや価格帯が比較的似ているバンコンと5×2mクラスのキャブコンです。

 

バンコンの最大の魅力は、「小さすぎず、大きすぎない」ボディがもたらす機動力。

ボディ自体に大幅な架装を施していないため、キャンピングカーの中では走行性能や乗り心地に優れており、サイズがコンパクトなので狭い道でも神経質にならずに走れます。

ベース車両のメインストリームであるハイエースなら、内外装のドレスアップパーツや実用パーツ、足回りのチューニングパーツなども豊富にそろっていますので、キャンピングカーとは思えないほどのスマートなスタイルと快適な走行性能を両立することも可能です。

スタイル、走行性能、乗り心地、機動力。そのすべてがミニバンに近く、それでいて家族分の生活・就寝スペースも確保できる。

子供の送迎や買い物などの普段使いから、週末のレジャー、くるま旅まで、1台であらゆる用途に活用できるマルチな性格こそが、バンコンの最大の魅力と言えるでしょう。

 

これは、筆者が以前乗っていたポップアップルーフ仕様のバンコンです。

クルマを仕事でも活用するため、「自走式立体駐車場にも入庫できる」ことは絶対条件。そのため、「普段使いにストレスを感じない2.1m以下の全高」と「家族でも快適に過ごせる居住性」を両立したポップアップルーフモデルにこだわりました。

コインパーキングや全高制限付きの自走式立体駐車場にもちゅうちょなく突っ込め、家族4人でゆったりと横になれる就寝スペースや必要十分な生活装備も完備。ファーストカーとして、仕事や普段使い、長期のキャンプ旅まであらゆる用途にフル活用でき、我が家に「キャンピングカーの楽しさ」を教えてくれた素晴らしいクルマでした。

 

しかし、キャンピングカーの「機動性」と「居住性」は反比例します。ボディサイズがコンパクトになれば、機動性に優れる反面、室内空間は狭くなり、ボディサイズが大きくなれば、室内空間が広く居住性に優れる半面、機動力はダウンします。

我が家でも子供の成長に伴って、最初は「広い!」と思っていたバンコンの車内をいつしか狭く感じるようになり、「家族4人で、できるだけ長くキャンピングカーの旅を続けたい」という思いで居住性重視のキャブコンへ乗り換えを決意しました。

 

5×2mクラスのキャブコンは、日本の道路事情に合った本当に優れたモデルだと思います。

全高制限のある自走式立体駐車場には入庫できませんが、一般的な駐車場の白線内に収まるサイズなので観光地などでも駐車場探しで困ることはほぼありません。日本の道路事情にも対応できる、機動性と居住性のバランスが取れたキャンピングカーと言えるでしょう。

とはいえ、ボディ形状や車両重量などの影響で、走行性能や乗り心地は、バンコンと比べて明らかに劣ります。

 

居住性は、バンコンとは比較になりません。

バンコンを「車内で就寝できるクルマ」だとするなら、キャブコンはまさに「走る家」。

とくに素晴らしいのは、立ったまま上に手を伸ばせる天井の高さと、フロントからリアまで続く通路の存在。ボディサイズを5×2mクラスに抑えながらもロフト代わりのバンクベッドを有していることで、大人数でも対応できるベッドスペースが確保されているのも大きな魅力です。

愛車のキャブコンで9万kmほど走り、キャンプやクルマ旅、仕事の打ち合わせ、DIYの作業場、キャンピングカー仲間とのクルマ談義の場としてなど、さまざまな用途で車内空間を利用してきましたが、「狭い」と感じたことは一度もありません。

ただし、さすがにバンコンとまったく同じ使い方はできません。近所のスーパーの自走式立体駐車場に乗り入れできなくなったのをはじめ、狭い道を走るときにヒヤヒヤすることもありますし、駐車場選びにもそれなりに気を使います。お世辞にも走行性能や乗り心地が良いとは言えないため、家族以外の人を乗せるときは「酔わないかなぁ」と心配になります。

 

このように、バンコンとキャブコン、どちらにもメリットとデメリットがありますが、それはカテゴリーによる優劣ではありません。「バンコンとキャブコン、どっちがイイ!?」と聞かれたら、「どっちもイイですよ!」と答えます。要は、選ぶ側が「キャンピングカーに何を求めるか」ということです。

機動性のバンコンか!? 居住性のキャブコンか!?

大切なのは、乗り手のニーズや使い方、ライフスタイルに見合っているかどうか。

キャンピングカーの購入を検討している人は、まず自分のライフスタイルを見極め、自分にピッタリの1台を探し出すことがもっとも重要です。

岩田一成

キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーフォトライター。日本大学芸術学部卒業後、出版社勤務を経て、2003年に独立。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に累計1000誌以上の雑誌・ムック製作に携わる。家族と行くキャンピングカーの旅をライフワークとしており、これまでに700泊以上のキャンプ・車中泊を経験。キャンピングカー専門誌『キャンプカーマガジン』でスーパーバイザーを務めるほか、ムックやWEBでキャンピングカーに関する記事を多数執筆。著書に『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』がある。

http://www.iwata-kazunari.com/

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