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コラム

キャンピングカー旅はペット連れでGO!

SNSのキャンピングカーコミュニティに参加したおかげで、ここ数年で爆発的に新しい知り合いが増えた。仲間が増えるのは本当に幸せなことなのだが、そこで人知れずパニックになったのが、うちのカミさんであった。
彼女、物書きのくせして、人の名前と顔を覚えるのが苦手なのだ。急に増えた友人たちの名前と顔が覚えきれず、大規模なキャンプ大会に行くたびに内心おろおろしていたらしい。一生懸命覚えようと、果敢に仲間の輪に入ってゆくところは偉いと思うのだ、が。どうも、皆さんのペットを記憶のフックにして、覚えているらしいことがわかってきた。
「○○さんがさー…」と話を振ると「○○さんて、あの、プードルの★★ちゃんのパパ?」という具合で確認が入る。人の名前は覚えられないくせに、犬種と犬の名前はすらすら出てくる。どんだけ動物好きなんだか、呆れるばかり。けど、それも一つの覚え方には違いない。これから初めて会う皆さん、もしペット連れでしたら、まず、彼女にペットを紹介して名前を教えてやってください。お願いします。

※今、横から怒られました。ペット連れでない方も、ちゃんと覚えてるそうです。すみません…。

さて、JRVAのキャンピングカー白書2016によれば、キャンピングカーオーナーの約4割が、ペットを連れて旅をしているという。実際、旅先でも実にたくさんのペットたちに出会うし、キャンピングカー仲間の間でも、ペット連れの人は多い。かくいう我が家も、ペット連れである。ただ、他の方々とちょっと違うのは、連れているのが猫6匹だということ。

キャンピングカーショーのセミナーなどでもお話ししているが、我が家が最初にキャンピングカーを購入したキッカケも、ペットだった。元々猫を2匹飼っていたところに、カミさんの実家で飼っていた犬1匹と猫2匹が合流したのだ。
元来が動物好きなので、大所帯は楽しくて結構なのだが、おかげでどこへも行かれなくなった。ペットホテルだのペットシッターだの、さんざん試して、たどり着いた解決策がキャンピングカーだったというわけだ。
それから16年。
当時の5匹は誰一人残っておらず、すっかり顔ぶれが代替わりして、猫6匹が我が家の家族である。
しかし、あの5匹には、ずいぶんと迷惑もかけたし、ペット連れの旅を学ばせてもらった。そして何より、ユニークで思い出深い旅を経験をさせてくれたと、感謝している。

■社交的な犬・内弁慶な猫

多頭飼育をしていると、それぞれの動物の個性の違いがよくわかるものだが、本当に犬と猫は違うものだなあ、と実感するのはキャンピングカーで出かけるときだ。

大体、犬には社会性がある。キャンプにも喜んで付き合ってくれるし、他の犬連れ仲間と一緒になっても、犬同士で遊ぶこともあるし、人間の友人たちにもしっぽを振って愛想をふりまく。
そしてなんといっても犬が喜んだのはスキーに出かけたときだ。
深夜、しんしんと音がしそうなほどの静寂の中。誰もいないゲレンデを、喜び勇んで駆け回る犬の姿。雪にまみれるのもかまわず、ふかふかの新雪にダイブしては跳ね回る。
『雪やこんこ』の歌のとおりである。もちろん、気温は氷点下。
「そろそろ帰ろうよ」と声をかけても、聞こえないふりをするからタチが悪い。結局、こっちまで雪まみれになって捕り物帖を繰り広げ、坊主頭から湯気が立つほど汗をかいて回収した。
ようやくキャンピングカーに戻ってみると、猫たちが「信じられない」といった冷たい目で私と犬を出迎える。
「この寒いのに、わざわざ雪の中へ出ていくなんて。馬鹿なの?」と言いたげである。
犬のほうは、遊びの興奮が収まると寒い寒いと訴えて、FFヒーターの吹き出し口から動こうとしない。挙句、熱風に当たり過ぎてのぼせてしまい「ぐぇっ」とえづく始末。
「加減ってもんを、考えなさいよ!」
カミさんも、呆れついでに無理なことを言う。

猫はといえば、めっぽう内弁慶である。
キャンピングカーに乗り込む段階で、まずひと騒ぎ。しかし、乗ってしまえば三々五々、くつろぎにかかる。バンクベッドが好きな子、ダイネットのソファ裏に逃げ込む子。助手席やダッシュボードの上に寝そべる大胆な子もいる。
犬と違って、人に合わせるという発想がまったくない生き物なので、旅先に到着しても、各々で居心地のいい場所をみつけて過ごしている。
バンクベッド脇の小さな窓から外を見るのも彼らのお気に入りだ。寒いときは布団にくるまり、暑いときは風の通るところを見つけて涼をとる。高いところへよじ登ったり、ソファの下に潜り込んだり、車まるごとがキャットタワーのようだ。
それでいて、知らない人が入ってきたりすると、とたんに大パニックが始まる。現在の6匹は雄が3匹、雌が3匹なのだが、まず女子チームは即座に隠れて出てこない。

■車内もペット旅仕様に

どこへ行くにも2人と6匹の我が家は、車内もすべてペット仕様だ。
何かに驚いてパニックを起こすと、猫たちは3Dで暴れまわる。飲み水をひっくり返したりなんぞ日常茶飯。なので、せっかくカーペットが敷いてあるのに、その上からビニールカバーがかけてある。
ソファやベッドも同様だ。猫はブラッシングをしていても、時たま毛玉を吐くことがある。ソファやベッドを汚されると掃除が難儀なので、カバーをかける前に、すべてに防水シーツを敷いている。
車内後部にあるシャワールームは猫用のトイレスペースに開放した。出入り口のドアにはペットドアを取り付けた。

ここまでしてもなお、猫たちにとっては迷惑なのかもしれない。常設ベッドで心地よさそうに眠っている彼らを見ていると、人間の道楽に付き合わせて申し訳ないような気にもなる。
そこで、漁港などに立ち寄るときにはなるべく、刺身の中落ちやアラを買い込んで、ときどきはご機嫌取りもしなくてはならないのである。

ペットと好き勝手に旅が出来るのはキャンピングカーならではである。ウチに来たからには、諦めて付き合っていただこうか…

わたなべたつお

キャンピングカージャーナリスト。サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫6匹とヨメさんひとり。 朝日新聞デジタルで週刊コラム「キャンピングカーで行こう!」連載中

http://www.asahi.com/and_M/campingcar_list.html

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