この議論は、結局、キャンピングカーが泊まる場所としてどういう場所がふさわしいかという問題になると思う。
そこで、キャンプ場が良いのか、それとも、さらに新しいシステムを加える方がいいのかという話になったと思うが、現在のキャンプ場では、モーターホームの旅は無理である。
というのは、日本のキャンプ場のスタイルが、いわゆるレジャーのための、あるいはスポーツのためのキャンプという、創生期の発想を踏襲したまま今日に至っているからだ。だから、モーターホームでは非常泊まりにくい。
私はもうじき71歳を迎えようとしているが、このまま現役でモーターホームの普及に取り組み、80歳頃からは、毎日モーターホームで旅をしたいと思っている。しかし、今のようなキャンプ場のスタイルだと、毎日利用できない。
オートキャンプ場は、もっと柔軟に「自動車旅行」というものを考えるべきだ。なぜ、テントを張って、バーベキューをする人たちだけしか念頭にないのか。たとえば、セールスマンが行商のときに泊まれるキャンプスペースというものを発想してもいいのではないか。
また、なぜ予約を入れて受付を通る人だけを「お客さん」として限定してしまうのか。
たとえば、カナダなどのキャンプ場などは、もっと柔軟な受付スタイルを実現している。北米のキャンプ場では、必ず「オーバーフロー・キャンプスペース」というものを設けている。そこは、ハイシーズンに殺到する利用客の受け皿として機能するばかりでなく、深夜に到着して、明け方に出発するような、移動中のモーターホームユーザーの便宜を図るようなものになっている。
そのような「オーバーフロー・キャンプスペース」というのは、基本的には、遮断機があるだけの無人の場所で、もちろんキャンプ施設はない。利用者は、「清掃料金」という名目で徴集される利用料を封筒に入れ、名前と住所を書いた紙と一緒にポストに投函して、遮断機を通過するようになっている。
そして、翌日は、メインのキャンプ場が開く時間にサイトに入るか、あるいはそこがいっぱいなら、別のキャンプ場に移動する。
そのようなシステムは、キャンプ場側にとっては、管理が行き届かないために不安に感じられるかもしれない。しかし、北米では何も問題が起こっていない。モーターホームがしっかりと社会的な認知を受けて、市民社会に溶け込んでいるからだ。
だから、私は、先ほど竹本さんがおっしゃられたように、現在整備されている1,300ヵ所のオートキャンプ場と連携を保ちながら、その使い勝手の改善を進めていくことは極めて現実的な解決方法であり、大いに検討されてしかるべきテーマだと思う。
また、キャンピングカー旅行が社会的な認知を受けるには、やはり各地の自治体関係者などにも、キャンピングカー旅行の実態を正しく理解してもらうための広報活動が必要だ。
先だって、私たちのクラブキャンプ(TAS)の会場をお借りする相談のために、富山県の庄川にある漁業協同組合を訪ねた。そこの「鮭祭り」の会場の一部を、私たちのキャンプスペースとして使わせてもらおうと思ったからだ。
趣旨を説明したら、最初は管理者から困ったような表情をされた。
聞くと、その場所に、ある宗教団体のキャンピングカーがたくさん集まって、ずいぶん長い間不当に占拠していたのだという。それが町でも大問題になり、その場所を管理していた人たちが、「キャンピングカー」という言葉にアレルギー反応を起こしていたわけだ。
そこで、私たちのクラブキャンプの趣旨を説明し、マナーを守る団体であることを力説し、過去の実績を証明する様々な資料を見せた。すると、にわかに管理者の表情が変わり、即座に私たちを現場に案内してくれるなど、非常に友好的な対応に変わった。
要は、管理者の理解をいかに得られるかということが大事だ。マナーを守り、健全なキャンプを行えるキャンピングカーユーザーもたくさんいるという事実を、行動を通して積み上げていくしかないと思う。 |