私の立場は、日本RV協会の広報部長であるが、自分自身がビルダーということもあり、今日はキャンピングカーを供給する側の気持ちのようなものをお話ししたい。
個人的な話から始まるが、そもそも、私がなぜキャンピングカー業に携わっているかというと、若い頃にあるお客さんからいただいた一言が、今も気持ちの中にずっと残っているからだ。
もう20年ぐらい前の話になるが、当時バニングが流行っていたため、当社も最初はバニングカーからスタートした。そういうクルマを大阪国際見本市に出展したところ、そのクルマをご覧になったお客様の1人が、「こういうクルマではなくて、自分のライフワークのベースとなるようなクルマが欲しい」と言い切った。
なんとカッコいい言葉だと、若い自分は感激した。「ライフワークのベース」とは、持ち主のライフスタイルがそのまま車内の造りに反映され、車内で過ごすことが、その人の人生そのものになるようなクルマのことなのかな…と勝手に解釈した。
結局その一言が、キャンピングカーというものは「人の役に立つモノ」、「人を幸せにするモノ」という、自分の信念を支える原点になっている。
だから、マナー問題・ゴミ問題で仮にキャンピングカーがネガティブキャンペーンの対象になったとしても、それは造った側・使った側の責任であって、キャンピングカーそのものには「罪がない」という信念がある。
自然の姿を撮影するカメラマンにとっては、キャンピングカーは、シャッターチャンスを狙ってじっと待ちかまえる「待機場」であり、日本100名山などを回っている人にとっては、その「ベースキャンプ」にもなる。
そのように、キャンピングカーは人の役に立ち、社会の役に立つアイテムだからこそ、われわれは、それを正しく使われる方向に導く努力を怠ってはならないという気持ちを、いっそう強く持つようになった。
供給側の反省点としては、今までは、確かに「道の駅やパーキングエリアで泊まればいいんですよ」という言葉を、セールストークの中に盛っていた。そう言いながら、マナーをどう守るか、ゴミをどう処理するのか、そういう運用面における具体的なアドバイスをお客様に与えることができなかった。
今後は、キャンプ場などをもっと積極的に活用するように、お客様に呼びかけていくと同時に、キャンピングカーのメリットである「好きなときに、自由きままに旅ができる」という特性をさらに発揮できるような、新しい宿泊システムの構築にも力を傾けていきたい。
最後に、ゴミ問題解決に向けての個人的な発想を話させてもらえば、たとえばコンビニの全国チェーン店などと提携できないかと考えている。あるマークの付いたそのコンビニのゴミ袋を買えば、全国の同じチェーン店では、どこでもゴミを捨てられるというような方法は採れないものだろうか。
もちろん、相手側の考えもあるだろうから、今の段階では無責任な発想であることはお断りしておく。実際問題として、コンビニは、現在ゴミ処理でどこも相当苦労しているから、よほどのメリットがない限り、そう簡単にわれわれの要求に応えてはくれないだろう。
しかし、キャンピングカーが「人に幸せをもたらすもの」、「社会に役に立つもの」という価値を生み出すアイテムであることが実証されれば、やがて、それに協力してあげようと思うチェーン店が出てこないとも限らない。可能性が低そうに思えても、少しでも希望の光が見えそうなものに対しては、われわれはチャレンジする努力を惜しまない。