また、キャンピングカーのトイレ処理を「道の駅」のトイレで済ますのは仕方がないとしても、その洗浄をトイレ横の水道で行ってしまう人もいる。そのような人たちの行動が、町の方でも問題視されてきて、草津町長は、ついに駐車場の使用制限を考えなければならないと言い出し始めた。
これは草津町という狭い地域の話かも知れないが、身近なところでそういう問題が起こっているということは、どこのパーキングエリアや道の駅でも、既にそのような問題が起こっていることを示唆していると思う。
そういう問題が起こる原因にひとつに、テレビなどの報道の仕方がまずいのではないかという気がしている。テレビでキャンピングカーの特集を組むことが多くなったが、ほんんどの報道は、キャンピングカーさえ買えば、「いつでも、どこでも、無料で泊まれる」と誤解させるような構成を取っている。
しかし、現実的に考えると、日本でただで泊まって、水や電気を使って、風呂に入れるような場所など皆無のはずである。そもそも公共の駐車場そのものが、無料で何日も泊まれるというようなことは、一言も謳っていない。そういうことを、これから増えてくるユーザーに教えていかないと、そのうちとんでもない大問題が起きてくるのではないか、と感じている。
そういうマンションよりも高いキャンピングカーを買うというのであれば、やはり、それは「贅沢な遊び」といえるだろう。
ならば、お金がかかることも覚悟しなければならない。「贅沢」を買う以上は、人に迷惑をかけてまで旅を安くあげようなどと思わず、出費する場所では出費を惜しまないようにして、バランスをとって生活しないと、他の人たちが巻き添いを食うことになる。日本には、キャンプ場という便利な宿泊施設があるにもかかわらず、そこにお金を払うのが嫌だから道の駅に泊まるというのは、いかがなものかという気がする。
そこで提案だが、キャンプ場以外にも宿泊場所を拡張しようと思うのなら、キャンピングカーユーザーに限って特別に開放してくれる場所を、新しく開拓するという手もあるのではなかろうか。今、夏場のスキー場や役所関係の駐車場や、国の林野庁などが管理している駐車場には、夜になると空いているところがたくさんある。そういう場所は山の上にもあるし、町の近辺にもあるし、リゾート地にもある。
そういう場所を管理している機関と話を進め、「マナーを守らせるから一夜限りの仮眠を認めてくれないか」という働きかけを、RV協会ほか関連組織がトライしてもいいのではなかろうか。
そういう交渉は、一気に国を相手に行おうとしても無理がある。それよりも、観光客を誘致したいのに、施設も何もなくて困っているような市町村を探し、市町村単位で個別に交渉してみる方がいい。一ヵ所でも、それを受け入れてくれる場所が出てくれば、市町村レベルは「右にならえ」に流れる傾向がある。
ただ、その場合、そういう場所の使用を申し込んだ人間が、「優良ユーザー」であることを証明してあげる作業も必要となる。
たとえば、特別に使用を許されたステッカーを持っている人たちとか、ライセンスを持っている人たちに限定するわけだ。
スクーバダイミングを行うにはライセンスが必要であるが、それは別に公に認められたものではない。しかし、スクーバをする時にライセンスを取得することはダイバーの常識となっている。
キャンピングカーを売る場合も、RV協会の方でマナー講習会を開くなどして、新規参入者に教育していくシステムをつくり、その講習会の受講者にライセンスを発行するなどという処置をとってみるのはどうだろうか。
基調講演1 マナー違反への警鐘 【中島祥和】おわり